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Cypher VRS1250 ビデオレート AFM 動画集

Cypher VRS1250は、初代Cypher VRSの2倍の速さである最大1250ライン/秒でスキャンを行います。これにより、最大45フレーム/秒のフレームレートでより高い時間分解能を実現することや、より低いフレームレートでさらに多くの画像ピクセルを収集して空間分解能を向上させることが可能です。超安定イメージングや、かん流機能付きの使いやすい完全密閉サンプルセル、充実したモードやアクセサリーが利用可能なCypher VRS1250は、最も野心的な研究目標の達成を支援します。

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Beyond Video-Rate: DNA at 45 fps

ゆるく結合したDNAを、1250 ライン/秒、フレームレート 45 fps(160×16 ピクセル)でイメージングしました。動画の前半では、左下隅にあるループでダイナミクスを観察できます。後半では、右側の2本の鎖の動きが大きくなっているように見えます。

過硫酸アンモニウムによる銅のエッチング:24 fps で撮影

銅のエッチングは、プリント回路基板の製造において商業的に重要ですが、銅上に大面積のグラフェンを蒸着する際にも一般的な処理過程です。ここでは、電解研磨した銅基板を過硫酸アンモニウム溶液中でスキャンしました。スキャンサイズ 130 nm,ラインスキャンレート 1250 ライン/秒,フレームレート 24 fps(160×40 ピクセル)。動画はリアルタイム再生されます。動画では、一方向のエッチングからスパイラル状のエッチングへの変化が見られますが、これは銅結晶中のらせん転位欠陥が原因として考えられます。

サンプル提供:三菱マテリアル株式会社

抗菌性ペプチドによる脂質二重膜の分解:28 fps で撮影

抗菌性ペプチドによる脂質二重膜の分解を、ビデオレートイメージングでモニターしました。スキャンサイズ 425 nm,ラインスキャンレート 1250 ライン/秒,フレームレート28 fps(160×32 ピクセル)。脂質パッチのイメージングを約7分間連続して行い、その間に約12,000枚の画像フレームを取得しました。ペプチドがない状態で同様のパッチを観察した場合、二重膜の分解は見られませんでした。

MoS₂結合ペプチドの結晶化:2.6 s/frame で撮影

Jim De Yoreo教授が率いるワシントン大学とパシフィック・ノースウエスト国立研究所の研究者たちは、二次元結晶へと自己組織化するMoS₂結合ペプチドの研究を行いました。このプロセスのイメージが、Cypher VRSにより 2.6 秒/フレームで撮影されました。これにより、核生成のダイナミクスを十分な時間分解能で測定でき、同時に4×9 nm という小さな核生成の島(ペプチド二量体がわずか8個)を明確に解像できました。

その結果、核生成のプロセスについて驚くべきことがわかりました。結晶は非常に小さな島状に核生成します。古典的な核生成理論では、二次元結晶は、結晶化に伴う自由エネルギーの低下が、線張力に伴うエネルギーのコストを相殺するような、ある臨界サイズを超えた核を生成する場合にのみ、概ね成長すると予測しています。しかし、この明らかな矛盾は、この系のペプチドが二次元ではなく一次元で結晶化していると考ることで解決しました。列が集合して二次元アレイを形成する場合でも、実際の結晶化プロセスはそれぞれの列において生じています。一次元結晶では、このエネルギーバランスのスケールが異るため、はじめに非常に小さな島状に核生成した場合でも結晶成長が可能です。

データ提供:Prof. Jim De Yoreo(ワシントン大学およびPNNL)

Published in: Chen, J. et al. (2018) Science 362(6419): 1135-1139.

HOPGに吸着したパルミチン酸セチル:13 fps で撮影

パルミチン酸セチルはワックス状のエステル分子で、下地のHOPG基板をテンプレートにしたパターンに自己組織化します。ここでは、サンプルをスキャンサイズ40 nm,ラインスキャンレート962 ライン/秒,フレームレート13 fps(208×64ピクセル)で撮影しています。再生速度は取得速度の2倍です。動画の冒頭で、列の並びに欠陥が見えていますが、サンプルは動的なままであり、動画の途中でこの欠陥は解消されます。

インスリン繊維—28 fps で15分間撮影しても安定なイメージング

インスリン繊維のイメージを 1250 ライン/秒,フレームレート 28 fps(160×32 ピクセル)で取得しました。15分間で25,000枚以上の画像フレームをキャプチャしましたが、オペレーターによるイメージングパラメータの調整は行っていません。サンプルは劣化することなく、また横方向のドリフトもほとんど見られずイメージングは安定し続け、ビデオレートでのイメージング速度であっても優れた安定性を示しています。

マイカ上でのコラーゲン繊維の組織化

 

コラーゲンは人間や他の動物に最も豊富に存在するタンパク質です。体内で多くの組織に見られる階層構造を形成します。さらに試験管内などで、人工的に細胞・組織培養の3次元構造の足場や基質を作るために広く使用されています。このことから、コラーゲン繊維の自己組織化メカニズムを理解することは、根本的かつ実質的に極めて重要な意義を持ちます。

ここに示されている結果は Cypher VRS video-rate AFMで取得しました。動画はバッファ中における裸のマイカのタッピングモードイメージングで始まります。ラインレートは 400 Hz 、1.5 フレーム/秒 (fps) のフレームレートに対して 512×256 ピクセル。ここでは、動画は 15 フレーム/秒 (fps)、つまり取得時の 10 倍の速度で再生されています。コラーゲン分子の希釈溶液を添加し、その後組織化までの 3 つのステップが収められています:

  1. 投入後、数秒で高移動性のコラーゲン分子がマイカ表面へ吸着
  2. 吸着したコラーゲン分子の空間的変動、相互作用および凝集により、不完全に配列した核形成
  3. 単量体コラーゲンの付着や、小さな核コラーゲン凝集体の会合による、D – バンド構造を示す原線維の成長

サンプル提供:Jinhui Tao 氏および Jim De Yoreo 氏 (パシフィック・ノースウェスト国立研究所)

DNase による ラムダダイジェスト DNA の切断

 

DNase1 は DNA を非特異的に切断する酵素タンパク質です。 ここでは、 Cypher VRS を使用してラムダダイジェスト DNA に対する DNase1 の働きを観察しました。MgCl2 バッファ中で DNA をマイカ基板に結合させ、DNase を導入しました。イメージングはオリンパス社製 AC10 プローブを用いて、毎秒 625 ライン、毎秒 8.7 フレーム (fps) のフレームレートに対して 320×64 ピクセルで行いました。動画の隣に、2.5 秒の間隔で 3 つの重要なフレームを抜き出しました。最初のイメージ (上) では、数本の DNA 鎖が観察されています。2 番目のイメージ (中央) では、重なり合う DNA 鎖の 1 つに DNase 酵素タンパク質が結合している部分 (矢印で示した箇所) に注目してください。3 番目 (下) のイメージでは、この DNA 鎖は結合点で切断されてしまっています。

CTAB ヘミミセルのダイナミクス:2.4 fpsで撮影

 

この実験では、 2 mM CTAB 溶液中で形成され、HOPG 表面を横切って移動する CTAB ヘミミセルのダイナミクスを捉えました。このミセルは通常非常に安定しているため、少量のイソプロピルアルコール内でかん流して、その動きを誘発しました。これらの動画取得のため、毎秒 2.4 フレームの速度でイメージ(200×200 ピクセル)を取得しました。ダイナミクスをより明確に視覚化するために、再生速度は取得速度の 6 倍にしています。

アプリケーションノートや CTAB ヘミミセル・ダイナミクスの他の動画もご覧ください:
Get the application note about video-rate AFM on surfactant micells

セルガード ポリプロピレン膜の動画 (フレームレート: 2.4 fps ),大気中でイメージを取得

 

ポリカプロラクトン高分子薄膜の動画 (フレームレート: 1.3 fps ),大気中でイメージを取得

 

DNA二重らせんの動画(フレームレート: 1 fps で取得)

 

水酸化カリウムによるDNAの変性

へき開したてのマイカディスク上に DNA が吸着するような一般的な調製法による DNA 溶液 ( 10 mM NiCl₂ 中に λ DNA 1 μg/µL ) を用いて、AFMイメージング用に λ DNA 分解物サンプルを用意しました。このサンプルを Cypher VRS に取り付け、イメージングの準備を行いました。次に DNA 変性( DNA 二重らせんを切断し、一本鎖DNAが形成される)が起こるよう、100 mM 水酸化カリウム水溶液を添加しました。アサイラム・リサーチ Cypher VRS 原子間力顕微鏡を使用して、超高速AFMイメージングを直ちに開始しました。オリンパス社製 AC10 プローブを用いて毎秒 625 ライン、スキャンサイズ 160 nm 、1ライン当たり 448 ポイントおよび 52 ライン、有効フレームレート毎秒 9.19 フレームでイメージを取得しました。この動画はリアルタイム (取得レートと同等の速度) で再生されます。

最初のイメージフレームは予想される損傷のない DNA の構造を示していますが、すぐに、一本鎖 DNA に対応する、より細かい鎖が出現し、多くの場合、元の DNA と結合した状態であるのがわかります。

クロロホルム蒸気中でのSBS 高分子(ポリマー)薄膜の溶媒アニーリング

アサイラム・リサーチ Cypher VRS 原子間力顕微鏡でイメージを取得。条件:オリンパス社製 AC10 プローブを用いてフレームレート 15.6 fps、312×64 pixels で 100 Hz で動画再生:取得レート ( 15.6 fps ) の 10 倍速

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